そんな何かに願っていたことはこの日打ち砕かれる。

そして私の気持ちも大きく転換させられることになる。



あいつが来たのだ。

席替えをした2週間後に。

ちょうど3時間目と4時間目の休憩時間。お昼前だろうか。



「席替えした?俺どこ?」と周りの人に聞いていた。

皆の目はまるで雨の中捨てられた猫のような助けて欲しいという怯えた目で

周りに訴えるオーラを出しながら私の隣の席を指差す。

そんな風に見られてあいつは平気なんだろうか。何とも思わないんだろうか。

きっと私ならそんなこと耐えられないだろう。

だから今でさえ1人でいるのだけど・・・。



少しずつあいつの足音が大きくなって、コチラに近づいてくるのがわかる。

一歩一歩聞こえる度に心臓が少しずつ飛び出そうでとっさに寝たフリをしてしまった。

窓側を向いて、寝たふりをしながら頭の中がごちゃごちゃする。

そんなことはおかまいなしに優しい風はフワフワ私の髪をそよぐ。



ガタっ・・・・



あいつが席に座った。座るとすぐあいつは自分のポケットからおもむろにMDウォークマンを取り出し

一番後ろの席にも関わらず、一番前の席の人が聞こえるくらいの大音量で音楽を聴きだした。

もうとてつもなく怖い。

人間でこんなに恐怖を覚えたのは初めてだろう。

それは授業が始まっても変わらなかった。

先生すら何も言うことはできない。それでいいと思うのか。

私達がいえない分、先生という立場を利用して言えるんじゃないのか。

その先生さえも、久しぶりに見たあいつに久しぶりに恐怖を感じた顔をしていた。

ウォークマンから漏れる、低いベース音が鳴り響く。

私は隣にいるから余計聞こえるのだろうか。

あいつが1人加わることで、教室には重い空気が流れ

きっと皆の心臓は今にも破裂しそうなくらい緊張しているだろう。

私もその1人だ。

授業のノートなんてとても取る気になんてなれない。

私はもう何十分も時計を見る動作でさえ怖いから動かずじっと寝たふりをしている。

そんな時だろうか。

もうすぐ授業が終わり、お昼時間を待ち遠しいと望んでいる人たちの中で



「ココ、風がすげぇ〜気持ちいいのな」





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