ハッキリ言ってあいつは悪い。

先生から言わせると、いわゆる問題児というやつ。

服装は今にも殴りかかってきそうな悪びれた感じで

ズボンの裾なんてアスファルトのざらざらした地面に擦り切れてボロボロ

目つきも百獣の王ライオンのようないつでも獲物を狙うように鋭い。

出てくるコトバは汚いことばかりで回りの大人や先生や生徒達を圧迫する。

こっちに迫ってくるのを見ると恐くなる。

きっと周りからしたら、関わりたくない、そんな存在だろう。

でも私は今は違う。

出会った時はそうだった、私だって皆と同じ気持ちだった。

でも何故だか・・・、、、あれは私の隣の席にあいつが来た時。



席替えでたまたまそうなった時。

一番後ろの窓側で、少し窓を開けるとソワソワと優しい風が流れてくる。

教室独特の、古びた古臭い感じの匂いなんて気にならないくらい爽やかな、唯一「癒し」というものを感じられる席。

そこを私はゲットしたのだ。そしてあいつも。。。

決まった時の嬉しいような、泣きそうな気分で、こんな良い席に移れたのに隣があいつ。

もう嫌で嫌で仕方なかった。

もうずっと机に額を付けてヒンヤリと感じる机と爽やかな風だけを感じようと思った。

いつもより少し心臓をバクバクさせながら、毎日学校へ行っていた。



でもあいつは、学校にはほとんど顔を出さなかった。

その度にホっとして、明日もそうであってほしい。明日も平凡であってほしい。

毎日何かに願いながら学校へ足を運んでいた。





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