家では未だに夜は1人ぼっちで、梅とツナのおにぎりを食べているけれど
とてもとても美味しくて、1人で食べていても辛くない。
面白い番組を見ても、とてもとても楽しいし、鏡だって何度も覗いてしまうくらい。
離れていてもあいつがいるような気がして
あいつと話をしたり、問題を見せ合いっこしたり、少し笑うとあいつも「笑った」って言って一緒に笑ってくれたり
好きな人でもあるけれど、なんだか本当に友達だと言える人ができたようで嬉しい。
明日があるのがとても嬉しい。
学校に行けるのがとても嬉しい。
でもそんな日はすぐ打ち砕かれる。
私だって、こんなに楽しいとか嬉しいとか言っているけれど、嬉しいことがずっと続くなんて思ってはいない。
そんなこと、前々からわかっている。嬉しい時くらい、そんなこと忘れたかった。
でもまさかこんなに早く、あいつがいなくなるなんて。。。
学校・・・・辞めちゃうんだって。辞めちゃうなんて思ってもいなかった。
どうしてかはわからない。あいつは言おうとはしない。
理由なんてどうでもいい。あいつがいなくなる。あいつがいない。
目の前が真っ暗になった。頭が真っ白になった。
もうすぐ卒業じゃん。もうすぐじゃん、それまでいられないの?
一緒に卒業できると思ってたのに。ねぇ・・・無理なの??
そんなこと当然聞けるわけがない。
ずっと忘れていた、あいつのおかげで風の方を向いて眠ることもなくなったのに
あいつのおかげでまたそんな日がやって来た。
授業なんて聞いてられるわけがない。
辞めちゃうってあいつが言ったんじゃないんだ。
先生が朝教えてくれて、照れくさそうに困ったような顔をしたあいつがいて
私はびっくりして、ずっとあいつを見てしまった。
でも時間が経つにつれてわからない気持ちがグっとこみ上げてきて
溢れるものは笑顔じゃなくて涙ばかりが溢れてきた。
そこの場面ばかり思い出してしまって、思い出す度涙が溢れて。
どうしたらいいのか、どうすれば収まるのか。もう自分でもわからなかった。
嫌で嫌で、最後くらいあいつといつものようにしたいけれど
無理だ。
いなくなるなんて嫌だよ。
風よ風よ、どうか勇気を下さい。
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