「田宮さんノート見せてくれない?」



「ココなんて読むの?」



「さっき先生なんて言ってた?」



「へぇ〜〜田宮も間違うことあるんだ」



あれからかどうかはわからないけれど、あいつが沢山、話しかけてくれるようになった。

田宮「さん」から田宮「  」にもいつの間にかなってたし。

私もやっと、、、やっと、、、、名前で・・・・呼べるわけがない。

そんなこといつできるのかわからないけれど

私から話しかけるなんてこと、必ずと言っていいほどないから

名前を呼ぶ必要もないけれど、、、、うん・・・。



あいつは慣れない授業を沢山していて、時々イライラしているようだけど

一生懸命わかろうとしている所や、頑張ってちゃんとしてる所なんかは

また惚れ直してしまう。

好きになった時はこんなに話したり

私のことを知ってもらうなんてことナイと思ってたから

好きになっちゃいけないと思っていた。

でもあいつも私達と同じなんだ。見かけは当然違う。私だって皆と違う。皆だって私と違う。

あいつもそう。別に好きになっちゃいけないとか

顔とか性格とか、そんなんで好きな人を制限してちゃ、本当の恋なんてできない気がするんだ。

私はあいつが好き。それでいいんだ、それで。

好きになっちゃいけない決まりなんてどこにもナイし、誰にも決められない。

恋だけは自分の辞書で判断すればいい。

自分が納得できるなら、それでいいじゃない。

私はあいつが好き。あいつはどうかわからなけれど、私は私。

この恋をしているのをとても嬉しく思うんだから。

あいつのおかげで私もちゃんと恋ができたんだから。





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