授業終わっての放課後。私はいつも1人。

1人が嫌なんじゃなくて、あいつがいないのが嫌だった。

ただ会えただけであんな気持ちにかられて

初めてこんなにも人を好きになって、会いたいと思って・・・・

あいつがいない度にそう思うようになった。

学校へ来て一番に開ける窓を、一番最後に閉めて、気持ちの良い風から隙間風に変わる瞬間。寂しい。

風の音で少しは静かさが紛れた教室が、いつにもまして静かで、まるで自分の部屋のようで

そんな場所に来ると泣きそうになる。

教室は誰もいなくて、自分の歩くカカトだけ踏んだ上履きの足音だけがパタパタと聞こえて

ガラガラと扉が開いて、擬音語しか聞こえない世界にいるのが嫌になった。

あいつを好きになって嫌なものが沢山増えた気がする。

何もかもが響く廊下を歩いて、職員室の前を通った時



ガラガラ―――――――・・・・・



あいつが職員室から出てきたのだ。

偶然の奇跡。突然のことで頭が動転して、心臓がバクバクいった。



「おうっ、、出席日数がヤバイって担任に呼び出されてさ・・・」



「そう・・・・・」



「明日からはまた毎日来る様にしないと卒業できないって」



「そう・・・・・」



「じゃっ、明日からまたヨロシク」



そういうとあいつは走って上履きに履き替えないまま学校に上がりこんでいたからそのまま外へ走っていった。

それをずっと見ていた。また呆然とさせられてしまった。

案外・・・普通じゃない。。。。。全然。。。悪くないじゃない。

私はあいつが話す言葉に対して同じ言葉しか返せなかった。

私のことを覚えててくれていた、嬉しく思った。

“ヨロシク”きっとこのコトバはずっと忘れられない、私とあいつの会話の一部。

風の便りが届いたんだろうか、、、癒しの風は、私の恋の風。

会話の一部がいつか全部といえるくらい、あいつに染まりますように・・・。





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