はあなたに恋をして、初めて人という人を愛しました。

とてつもなく苦しくて、辛くて、にがくて、とてつもなく幸せな、確かな想いでした。

私はもう恋はしないと、君が最後だと、そう思いました。

君以外の人は人として、男の人として、何の魅力も感じない、ただ君だけを愛していました。

君だけしか見えていなかった。

ただ君さえいてくれれば、本当に何もいらないと、全てを失ってもいいと、本気で想いました。

一番の味方でいてくれる親だって、兄弟だって、何もいらない。

あかの他人の君さえいてくれれば、私は生きていけると。

沢山沢山想いました。







でもそれは、想ってはいけないことだったのです。



君を愛してはいけなかったのです。















君に出会った日は、とても寒い日でした。



夜の学生になってもうすぐ1年が経とうとしていた。

色んな年の人がいて、色んな仲間がいて、色んなことが起こって。

毎日が新鮮で、毎日が充実していた。学校も仕事も部活も、何もかもが楽しかった。



そんな時に、君と出会ったのです。



今でも忘れてはいません。いつも記念日ですら忘れてるような私が、こんな小さな出来事を



今も尚、覚えていて、記憶すら、薄れてはいません。



私と君は違うクラスでした、君は1つ年上でした、君はとても、     素敵でした。



でもそれは初めから想っていたわけではありません。

こんなに長くいたのに、今まで気づくことがなかった君。

初めて見た時、何故だかものすごく気になりました。

そしていつの間にか、毎日君を見る度に、君をもっと知りたいと、そう想うようになりました。



まだそれを、私は恋だとは気づいてはいません。



本能でしょか、女の勘というやつでしょうか。

この頃から、君を、君という人を好きになってはいけないと、無意識に止めていたのではないのかと。

でもそれは君と毎日会う度に、もろくも崩れ去ることになり、

私は、君に夢中になってしまいます。夢中になりすぎてしまいます。

それが怖くて、何日も何ヶ月も考えました。

名前も知らない君。そんな君を好きになることなんてあるのでしょうか。

私の周りでは、漫画やドラマでしか、見たことも聞いたこともありません。



そして何より、人を好きになったことがない私が、君に恋をしてもいいのか、だなんて

考えて考えて、考えて、仕事も勉強も手につかず、友達の話しでさえ、聞こえなくなっていました。

その時に初めて知ったのです。





人を好きになるのに、理由などナイということを。





でもそれを知った日から、私への長くて苦しい試練が待ち受けているのです。








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